「じつはすご〜くハッピーだったレイさんの人生」

去年亡くなったレイ・チャールズのアルバムがグラミー賞をとりましたね。映画「Ray」はアカデミー賞候補だし。でも、いまひとつ日本人にはピンとこない存在かも。とくに私たち世代には。アメリカ人にとっては心の音楽そのものなのかもしれません(美空ひばりさんみたいに)。映画では、彼の人生をすべて網羅しようとするあまりかなり長すぎてインパクトに欠ける作品になっているのが残念。それに、弟の死のトラウマやら突然の失明、母の厳しい教育、そして麻薬中毒に女性問題、人生すべてが戦いであるかのようなストーリーで彼の喜びの瞬間に焦点があてられていないのですよね。まあ、どうしても故人のストーリーを描くとなると、本人はいないのでモロ他人の視点になるのはいたしかたないのですが。でも、それだけ世を動かし人々を感動させた音楽の神様の人生、その創造の源っていうのは決して「つらさ」ではないでしょうに。きっと、そんな様々な体験のうしろに本人にしかわからない輝くような瞬間が光を放っていて、それが彼をつき動かしたのでしょう。「真」のすばらしさは過酷さからは決して生まれないと思うのです。ねっ!レイさん!