11-07-13 「オレさえ我慢すれば・・・」 その2

(その1より)

自分の気持ちを裏切り続けたすえ、ついには自分自身のことが信じられず「自信が持てない」ということになります。この症状が出現してしまったらどうすればよいのでしょう?

ほんとうは日常の生活でなによりも大切にしたいことは、常に自分の気持ちに耳を傾けて、自分の気持ちをやさしく汲みとって尊重してあげる、ということ。落ちこんでいたら、「そっか〜。落ちこんでいるんだね。うんうん、そんな気持ちになることもあるよ。いいんだよ。落ちこんでも、それは普通の人間の反応だよ」と、なんら責めたり恥ずかしく思うことなく認めてあげます。

自分の気持ちを汲みとるということは、気持ちに寄り添って、「今はそう感じているんだね。そう感じてもいいんだよ」とOKを出してあげること。

これができるようになると、自分自身がラクになると同時に、人を責めたり裁いたりする気持ちがなくなってきます。人の現状や気持ちをあるがままに認めてあげることができるようになるのです。結局、自分の気持ちを無視して認めてあげていないと、人の気持ちも認めたくないものなのです。「なんだよ、その態度は!俺だってガマンしてるんだ。おまえもガマンしろ」というように、相手の自由な感情が認められません。自分と同じだけの不自由さを相手に強要するようになります。

そんなことにならないように、まずは自分のあるがままの感情を許すこと。そして、その気持ちを無視したり抑圧することなく周囲との折り合いをつけながら表現するために、周囲にも自分にもやさしいコミュニケーションの仕方を身につけなければなりません。

それには「I message (アイ・メッセージ)」を使って、さわやかに自分の正直な気持ちを伝えてゆくようにすることです。

アイ・メッセージとは、人を責めたり、コントロールすることなく、自分を主語にして自分が今何を感じているのかをさわやかに語ってゆく表現方法です。「あなたがそんなだから、わたしは幸せになれない」・・・これは完全に被害者になって相手を攻めています。かりに相手が本当に悪くても相手はこの言葉を受けとれません。攻撃は相手をさらに頑なにしてしまうだけです。

そうではなくて、「あなたがそんなふうに振る舞うと、わたしはなんだか悲しい気分になるの。なぜなら・・・」と、自分を主語にして自分の気持ちや経験していることを平和的にたんたんと語ってゆきます。

この方法だと責められているとは感じないために、相手の置かれtいる状況を客観的に知ることができます。すると、「そっか〜。そんなふうに感じていたのか。じゃあ、次回からやめるよ」などと、歩みよりやすくなるのですね。

つまり、相手を責めることでは何もいい結果を手にすることはできません。自分を主語にしたメッセージで自分の今の正直な気持ちを語ることによって、相手の理解を得やすくなるのです。(たいてい、不平不満を言いたいという怒りの感情の下には、深い悲しみがあります。そのヨワヨワの自分からコミュニケーションすることによって、相手も素直に心を開いてくれるのです。)

と言うように、一にも二にも自分の気持ちを尊重して、それを表現するという、自分の気持ちとのつきあい方を大切にすることにより、ほんとうの自分と和解することができるようになります。すると、おのずと自分と信頼関係ができて「自信」も持てるようになるでしょうし、人にも寛容になり、なによりもネガティブな感情を溜めこまないことにより、自分で自分の人生の邪魔をすることがなくなります。

ゆめゆめ「我慢」することなく、自分を大切にして自分との対話を通して、是非自分と仲良くなりましょう。