14-02-22 人生午後の時間に学ぶ

「 人生、午前の時間と午後の時間 」

心理学者のユングは、人生には午前の時間と午後の時間があるといいました。午前は、成長や発達に象徴される「やればやっただけよくなる」時間帯。いわば上向きカーブ。

ところが正面から照らしていた太陽が徐々に頭上にさしかかり、後方へずれたその瞬間、人生午後の時間のはじまり、はじまり〜!そこでは、今まで見たこともない自分の「影」に直面することになります。たとえば、「ある日突然あらわれるカラスの足跡」やら「どんどんふえる白髪」など、努力とはうらはらな下向きカーブ、そして今までのルールが通用しない時間でもあるのです。

「 美しいはずの午前の時間は、けっこうシンドイ 」

なんかがっかりしちゃいました? でも、成果がばりばりにでる美しいはずの午前の時間、わたしたちは本当にハッピーなのでしょうか?

流行のお洋服や最新のメークアップにイケメンの恋人・・・ 。気にして、比較して、競って、手に入れようとするのが午前の時間。でも決して心が安らぐことはありません。益していくのは焦燥感や欠乏感や劣等感ばかり。もっと、もっと、もっと上を・・・と。

「 午後の時間のおくりもの 」

一方、失うものが目につく午後の時間は、じつは「今までのものにしがみついても、そこに幸せはありませんでしたよね。すべてのものは移り変わっていくもの。一生懸命かき集めても、それは時間とともにもれなく失われいくものです。それよりも“ 変わらないもの ”ともっと仲良くしませんか?」 と教えてくれているのです。

「 変わらないものとは“ 内なる自分自身 ” 」

つまり、それまでまわりばかりが気になって外へ外へとお出かけグセのあった意識を、自分の内側に戻してそこに留まってみませんか? というお誘いです。自分の心の声を聞いて、それを尊重して、内なる自分自身と仲良くする。すると、今までお出かけばかりで空き家のように空虚でカラッポになっていた自分の心の中にようやく「 主 」が戻ってくるように、安定感や充足感、信頼感がよみがえるようになります

「 内なる自分と仲良くする=つながる 」ことは、常に外側の変化にもまれて大海原にホンロウされる小舟のようだった自分が、「え?じつはわたし自身がが大海原だった?」と感るような安らかさを与えてもらえることでもまるのです。そうなって、ようやっとくつろげるわけです。

人生の午後、自分の人生の影に直面してはじめて、わたしたちは自分自身へと戻ってくるように仕向けられますが、人生の午前中にいようとも、外側から内側の世界へと注意を向けなおしてあげることによって、より人生の安定感が益してくるのだと思います。( 人生の午後時間まっしぐらなわたしですが、もっと早くそのことに気づきたかったです・・・ 汗 。)

まだまだ余裕で人生午前中の方も、意識のおでかけグセをなおして、お家(内側)に意識を向けることで、きっと今までとは違った感覚を感じられることと思います。

「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子/心理療法家・ヒプノセラピスト