15-02-13 千切りは天につながる道?

「野菜の千切りをしていたら、はじめて声がきこえたんです!」とY子さん。

昨年ヒプノセラピーを受けられてからいろいろと気づきがあったそうですが、頭のなかで「自分のものではない声」が聞こえたのはこれが初めてだとか。その声は「もっと自分を大切にするように・・・」と教えてくれたそうです。

Y子さんの野菜の千切りの話で、はたと思い出しました。そのむかし、セラピーでたくさんの方にお会いしたり、ちょっとこみいったセッションがあった日には、よく野菜の千切りをしていたな〜と。あるいは、粉をこねることにもはまっていたときも。

野菜を刻むことも、粉をこねることも、心を空っぽにしてくれるのですよね。

Y子さんの場合は、その空っぽになった心に高い意識からの声がぽとりと落ちてきたのだと思います。

とはいっても、高い意識は野菜の千切りをしているから話しかけてくれるのではなく、いつでも年がら年中、365日、語りかけ続けてくれているのですが、わたしたちがまったく聞く耳をもっていません。頭のなかの雑音がうるさすぎて、その声をすくいあげることができないのです。

単純でリズムのある作業をしているとき、ふとトランス状態になって、いつも聞きのがしているその声が浮かびあがってきます。高い意識にしてみたら、「おお〜、やっと静かにしてくれたか!」という感じでしょうか?

そう、わたしたちの頭はあまりにもうるさすぎ。人の話もあまり聞いちゃいないけど、自分の高い意識の語りかけにはまったく耳を傾けていません。

以前にこんなことがありました。それは、「貴子さん、あなたのガイドスピリット(高い意識)があなたに話しかけようと頑張っているのですが、まったく聞い
てもらえないといっています。だから、わたしのところに話しかけてきたのですよ。これこれ、しかじかだそうです」と、親しくさせていただいていた「いろん
なものが見えて聞こえちゃう」男性にいわれたことがありました。それは、そのときにいちばん必要だったひとことで、それがわたしの背中を押してくれました。

その頃のわたしは、まだこの仕事をはじめたばかりでいろいろとパニクっていて、心の声に耳を傾ける余裕などまったくない状態で、まさにそんな迷走状態のわたしだからこそ、わたしの高い意識は「聞いてほしい大切なこと」があったのでしょう。こんなふうに、他の人の口をかりて重要なメッセージがやってくることもあります。

なにも不思議な力を持っている方だけがメッセンジャーになるのではなく、ふつ〜の友人から語られることも自分の高い意識からのメッセージです。お友だちとの雑談で高い意識が語ってくれることも多いのです。

また、メッセージを受けとりたい!とかまえて瞑想しようとすると、かえって力が入って、頭のなかに期待がふくらみ、うまくいかない体験をすることがあります。だからこそ、野菜を刻んだり、粉をこねたりという修道僧の黙想のような単純作業のほうが、簡単に頭をからっぽにできるようです。

野菜を刻む、粉をこねるほかにも、拭き掃除をする、アイロンかけをする・・・なんていうのもいいかもしれません。そうそう、以前ぬり絵をいただいたことがあるのですが(それはマンダラぬり絵という、モチーフに色をつけるものでしたが)、ひたすら色をぬるというのも身体がリラックスして、心も空っぽになるので、おススメです。

「セッションルームの出口のところにキャベツを並べておいたら売れるかもしれませんね!」とY子さん。セラピーが終わると、みんな千切りにするキャベツを大事そうに抱えて帰るのを想像したら笑ってしまいました。

 

 

「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子/ヒプノセラピスト・心理カウンセラー