21-03-13 ニセの自分にご用心

 

コンタクトレンズの交換で眼科に行ったら、先生に「あなた、目がめっちゃ乾いているわよ〜!パッサパサ」と言われてしまいました。 ・・・ 目が砂漠化してる?!(汗) たしかに最近、世界が白っぽいな〜と思っていました。

ドライアイの目薬(これ胃薬と同じ・笑)をいただいたら、くっきり鮮やか! ・・・ でも、言われるまではそんなものかと受け入れていましたが。

美容室でも、髪をカットしたあと首や肩をマッサージしてもらうと、「鉄板でも入れているんですか?肩をマッサージしてると突き指しそうですよ〜」といわれることたびたび。 ・・・ え〜〜〜!永年、軟体動物だと信じてきたのにっっ!

そういわれて、ちょっと首の体操したら、イタタタ・・・たしかに凝っているらしい(汗)。

自分のほんとうの状態って、わかっているようでまるでわかっていないのです。

違和感というものはまるで、顔にサランラップがピターーーッと密着しているような状態。

はじめはヘンだと思ったはずなのに、毎日くっついているとあまりの密着度にだんだん慣れっこになってしまうのです。でも、その端っこが1ミリでもはがれようものなら、いきなり「こんなものをつけてたのっ!」とビックリするのですが。

自分とあまりに一体化してしまったモノは、まったく気づくことができなくなります。そして、まがいものの自分をこしらえてしまうのです。

こころもおんなじ。

一定のこころの状態(怒り、悲しみ、絶望、孤独、あきらめ、無関心・・・)が長くつづくと、それは一過性のこころの状態ではなくなり、まるで自分のアイデンティティになりかわってしまいます。

少しづつ起こるので、そんなニセのアイデンティティにのっとられていることさえ気づけないのです。

ほんとうは、もっと喜びを感じることができるのに、幸せであっていいのに、安らかであっていいのに、愛を感じていいのに ・・・ どんどんその感覚がわからなくなります。

その副作用で、イライラ、トゲトゲしている自分さえもふつ〜になてしまうのです。

このまがいもののアイデンティティ、人ごとではなく、じつは誰もが犯されている病でもあります。

誰もが「ま、こんなものかな、死にそうでもないから、これで幸せということにしておこう」と妥協することで、ぜんぜん喜んでもいないし、安らかんでもないのに、「幸せな自分」「うまくいっている自分」を演じ始めてしまったりします。

すべての変化は、「自分がそれに気づく」ことによってしか生まれません。意識できることが大切なのです。

だから、「これでいっか!」といってしまうと、自分で自分にウソをつくことになり、うすらぼんやり不安な世界のなかで「幸せだ」と自分を信じこませたりしてしまいます。

かといって、不平不満をとなえましょう!ということではありません。

日々のいろいろなことにもちろん感謝をしながら過ごすのですが、本当の自分を見失わないために自分の今の状態に正直になることです。

それは、そのときに自分の感じていることに正直になってみること。

「今、どう感じている?」

「あ、大切にされていないように感じて悲しんでいるんだね」
「思うようにならなくって、イライラしているんだね」
「さっき言われたひとことに傷ついているんだね」

その気持ちを無視したり、なきものにするのではなく、そんな自分をちゃんと認めてあげましょう。

「そうなんだ。そう感じてもいいんだよ」
「感じてみようよ。どんな感じがしてる?」

私たちは自分にとっておもしろくないことが起こると、「不平不満」という文句やセリフでアタマをいっぱいにしてしまい、その下にある「どんな感じがしているのか」という感情を無視してしまいます。

大切なのは、セリフや文句はいったんストップして、「今、感じていることをちゃんと認める、感じる」ということ。

「感じる」ことは、受け入れること。「文句をいう」ことは、抵抗すること。

ちゃんと受け入れられたものは、意識の光が当てられることで、その意識のなかに消え去ってゆくことができます。

抵抗してしまったものは、さらにエネルギーが注がれ、パワーアップしてゆくことになります。

感じることがとどこおりなく行われると、ニセの不満足な自分というアイデンティティを維持することがなくなります。

ほんとうの自分(完全な満足)の上にホコリのようにかぶさっていた不平不満の感覚を取り去ってあげることができるのです。

自分にピターーーッとはりついて一体化している「そこはかとなく不満足」な感覚を取り去るために、そのときそのときの自分の感じていることに敬意をはらって、しっかりと受けとめてあげる習慣をつけましょう。

少しづつ、努力なしに「穏やか」「幸せ」「嬉しい」「楽しい」という感覚が自分のなかにあることに気づくと思います。

 

 

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