22-01-27 いい人になって、自爆しない

 

早いもので、新しい年が明けて一ヶ月がすぎようとしています。

さてさて・・・新年の決意は覚えていますか?

クライエントのA子さんは年末、こんな決意をしました。「私はどうも人にイヤミを言ったりあげ足をとったりして攻撃してしまうクセがあるんです。それは相手も自分も幸せにしないので、是非新しい年はそれをやめようと決めました・・・」と。

「一ヶ月たって、どんな調子ですか?」とA子さんにお尋ねしてみると、

「いい人になりたいと思って、人を咎める気持ち、裁く気持ち、見下す気持ちをおさえる努力をしていたのですが、なんだか調子わが悪いです」と。

どんなふうに調子がよくないのかというと、「急に体調が悪くなってしまいなかなか回復しないし、へんな言いがかりをつけられて面倒な問題がふりかかってくるし ・・・ なんかツライことがふえたようなのです」とシンドいご様子。

じつは、これはよくあることなのです。

自分の怒りをなるべく外にばらまかないようにするために、人を咎めず、裁かず・・・・、

でも、じつはこの段階でもうすでに怒っているし、咎めているし、裁いているのです。ただ、それを外へと表現するのをやめる努力をしただけです。

つまり、怒りの爆弾は着火されたのに、外へと放り投げることができなかった・・・。

じゃあ、どうなるのでしょ?・・・そうなると、ハイ、自爆です。

これが、自分の体調不良やら、さまざまな問題の勃発やら、怖れたり怒りを感じたりするものごとことして現れます。

人にぶつけないかわりに自己攻撃に転じてしまい、自分のなかで爆発したのです。

これじゃ、咎めないことも、裁かない努力も、幸せを感じるための解決策とはなりえません。

まずは、自分が爆弾を抱えているのだ!ということに、ちゃんと気づかなくてはならないのです。

私のなかには、人に怒りたい、人を裁きたい、そんな気持ちがたしかにある、ということを認める必要があるのです。

自分のなかでイライラしている気持ち、怒っている気持ち、裁きまくっている気持ち、不平不満を言いたい気持ち ・・・ 私たちはそんな自分を認めたくないので、怒っていても、裁いていても、ついついそんなことはなかったことにしようとします。

どこかに注意を向け変えて、あるいは自分を忙しくして、「いえいえ、私はそんな邪悪なことはまったく考えてなんかいませんよ!」「何も感じていません!」とウソぶいてしまうのです。

でも、爆弾は着火しています。他への爆撃も自爆も避けたいと思うのなら、この攻撃的な気持ちという爆弾に気づきましょう。

攻撃にしろ怒りにしろ、自分のなかの邪悪な気持ちは「認知」という光にあてることで消滅させることができます。

つまり、「ああ、今、私のなかに怒りが存在している」「裁きの気持ちが存在している」「でも、これは私の望まない気持ちだ」とただ正直にこころのなかで起こっていることを認めてしまうのです。

怒りがあってもいいのです。どうせ、捨てるものですから。

気づくことは、手放すことの第一歩です。認めることによって、はじめて手放すことが可能になるのです。

さらに、それらを完全にこころから消滅させることができる自分自身の高い自己へと、邪悪な考えをひとつひとつ委ねてしまいましょう。

高い自己・ハイヤーセルフこそ、危険物処理班です。お願いすれば完璧に任務をこなしてくれます。それも、無料で! 24時間対応で!

大切なことは、人に投げつけたり、自分のなかで爆発するまえに、ちゃんと自分の考えに気づいて、それ(爆弾)をかかえていることを認めてあげることです。

よい人になろうとする努力は、しばしば爆弾を温存したまま違う自分になろうとしてしまいます。

すると、遅かれ早かれ自爆(自己攻撃)というかたちでいろいろな問題が勃発します(自分の怒りがさまざまな形をとり、自分自身に襲いかかるのです)。

自分のよろしくない思いは「廃棄すべきもの」なので、べつに隠そうとする必要もありません。

いさぎよく捨て去るために意識の光のもとにひっぱり出して、親切丁寧な危険物処理班におまかせしてしまいましょう。

よい人になる努力などせずとも、危険物をうちに持たなければ、自分もまわりも平和になるのです。

 

 

「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 ヒプノセラピーカウンセリング