23-08-02 グッタリするまえに、丸投げを!

 

疲れているように見える人に、私たちは「ゆっくり身体を休めてね!」と声をかけます。

しかし、ほんとうに疲労困憊してしまっているとき、まいってしまっているのは私たちの身体ではなく「こころ」なのです。こころこそが疲弊して悲鳴をあげているのです。

なぜなら、何を疑うこともなくこころが真っ直ぐでスコンと元気だと、多少身体に負担がかかっていてもなんとかやり過ごすことができるからです。よく、「身体は疲れていたけれど、精神力でのり切った!」と表現するように。

こころが元気ならば、身体はそれについてきてくれるのです。

いちばん困るのは、こころがペシャンコになったときなのです。

私たちから生命エネルギーを奪っているのは、身体の活動自体ではなく、こころが「自分で自分を信じることができなくなったとき」なのです。

たとえば、「変えたい現状があるのに、とうてい変えることができない(無力な自分)」「AかBか選ばなければならないのに、どう決めたらいいかわからない(無知な自分)」「生きたい人生があるのに、生きられない(哀れな自分)」・・・

というように、自分で自分に対して手厳しい判断をし、自分のことをふがいない、まったく頼りにならない奴・・・と見限ってしまっているのです。

そのことによって、いちばん信頼して欲しい自分自身に見捨てられてしまったこころは頼るあてもなく、前向きに生きる力を失ってしまうのです。

こんなことにならないために、どうしたらよいのでしょうか?

私たちはこの世界で生きてゆくために、対人関係についてはこころ配りをしています。しかし、いちばんこころを配らなければならない関係は、じつは自分との関係なのです。

自分自身とうまくつきあうことができないと、人生全般とうまくつきあうことができなくなります。

先に書いたように「〜できない自分」という自己に対する判断を認めてしまうと、「自分は何もできない人」「頼りにならない人」というレッテルを自分自身に貼りつけることになり、それを受け入れれば、そんな自分をそのまま生きるようになります。

かと言って、そのような考えを止めようにも自己否定的なことばは自動的に出てくるので、コントロールすることができません。

そこで、たとえ自己否定的な考えを自分自身に言ってしまったとしても、そのあとにそれを自分自身でフォローする習慣をつけてみましょう。

「変えたい現状があるのに、とうてい変えることができない(無力な自分)」という考えが浮かんできた場合には、「変えることができないのなら、当面はこれで大丈夫。真の変化が訪れるときには、自然と行動を起こせるはずだから」と、優しく今の現状にOKを出します。

「AかBか選ばなければならないのに、どう決めたらいいかわからない(無知な自分)」という考えに対しては、「AかBか選ぶのは、私ではない。自分のなかにすべてを見通している存在がいて、すべてを正しく判断してくれるから、その存在に委ねて、あとは自分がどうするのか見ていてみよう」と、自分のなかの大きな存在の力に委ねてしまいます。

「生きたい人生があるのに、生きられない(哀れな自分)」という考えに対しては、「今までの人生でも、自分の思いどおりを貫くことが幸せに直結していたとは限らない。むしろ、失敗したことも多いかもしれない。だったら、この人生全体の流れが自分をどこに連れて行ってくれるのかただ見ていてみよう」と、自分自身が人生の責任をとろうとするのではなく、もっと大きな流れに身を委ねて連れて行ってもらいます。

私たちは小さいころから「人に頼らないで自分で決めなさい」とか、「自分のことは自分でちゃんとやりなさい」と言われつづけ、他の力を借りることは良しとされませんでした。

だから、自分の人生に対して100%自分でどうにかすることがあたりまえ、「他に丸投げする」なんてもってのほか!と感じてしまうため、「信頼して、頼って、委ねて、身をまかせる」という考え方には馴染みがないのです。

しかし、今まで「自分ひとり」で頑張ってきて、それでも悪戦苦闘がつづいて、そのうえどうしてよいのかわからず、疲れ切っているのなら、このさい「丸投げ」の姿勢を身につけてみましょう。

誰に丸投げをするのか?・・・それは、力不足を感じて疲れはてているニセモノの自分(エゴ)ではなく、この世界の外かわからすべてを熟知したうえでサポートをする真の自分(ハイヤーセルフ)にです。

そんな存在、知りません!・・・って?

大丈夫です! きょうまで知らなくっても、きょうから新たに関係を結びましょう。

毎日、ハイヤーセルフに声をかけてつながり、尋ねて、助力をお願いすれば・・・きっと、あらら〜、こんなふうに解決しちゃっていいの?とびっくりするぐらい、自分には考えつかなかった解決策が与えられるということにびっくりするかもしれません。

こころが疲弊すると、身体もバランスを崩し、さらに自分の目にする世界にも不具合があらわれはじめ、それを見てまたこころがさらに疲弊する・・・という悪循環に陥ってしまいます。

そうならないためにも、自分のこころが自分を疲れさせないように、どんなことを言っているのかまずは気づいてみましょう。

そして、疲れを感じるような発言を見つけたら、ハイヤーセルフへの「丸投げ」の考え方に変えることで、こころの負荷を減らしてあげましょう。

そして、どんな結果になるのか見ていましょう。

「自分ひとりでやらなくんてもいい」と感じるだけでも、こころはだいぶツラい責任感から逃れることができます。

そして、流れのなかで自然に起こる成りゆきも、もっと自分自身を安心させてくれるかもしれません。

 

 

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