23-10-01 思い悩むことは、堂々めぐり

 

ある出来事を、いつまでも考えつづけてしまうことがあります。

「あれはどういう意味だったのだろう?」「あの人はなぜあんなことを言ったのだろう?」「どうしてこんなことになってしまったのだろう?」「なぜ・・・?」「どうして・・・?」

これらは「今」について考えているのではなく、すべて過ぎ去ってしまった「過去」について思い悩んでいる状態です。

しかし、「過去」はとっくに消えてなくなり、もうそこにアクセスする手立てはありません。それはすでにどこにも存在していないのです。

存在していないものについて、「どうして・・・?」「なぜ・・・?」と思い巡らすことは、こころのエネルギーの浪費以外なにものでもありません。いくら考えても、そこから建設的なことは起こりません。

なぜそんなに過去が気になってしまうのかというと、そのときに自分の感情が大きく刺激され、こころが動揺してしまったからです。

こころが動揺した・・・つまり、怖れを感じた、傷ついた、苦痛や悲しみを感じたということであり、それは自分のこころが不自然に波立ってしまったのです。

穏やかに凪いだ湖のようなこころが、荒波を立てて不自然な状態になっていることこそが居心地が悪い状態を作りだしています。

こころが不自然な状態になっているのならば、過去の変更不可能なことについて思い巡らすよりも、波立つはずかないこころが波立っているその原因こそを探ってみることです。

私たちのこころは、鏡のようにすべてを映しだす湖のように静かで穏やかであることが自然な状態です。

しかし、そのこころが波立ってしまっているならば、それは不自然なことが起きているわけであり、こころが誤作動を起こして落ち着きがない状態になっていることをあらわします。

しかし、私たちはつねに出来事や状況について「どうして?」「なぜ?」と考えはじめる習慣があるために、自分よりも外側のことに注意の焦点が固定されてしまい、こころの誤作動を認識できず、せっかくのこころを正すための機会を失ってしまっているのです。

そして、外側の出来事、状況に対して、「どうして?」「なぜ?」と繰り返すことで、その出来事に動揺しながらいつまでも同じような反応を繰り返すことになってしまいます。

この状態は、自分で自分のこころを正すまでずっと続くことになります。

そうならないためにも、こころが波立つたびに自分のこころにしっかりと向き合うことによって、怖い、傷ついた、苦しい・・・といったいつもの反応から抜け出すことができるようになるのです。

過ぎ去った出来事や状況について「なぜ?」「どうして?」と繰り返しながら自分の外側に向かうかわりに、逆方向へと向きを変えて自分のこころへと向かってみましょう。

それは、自分のこころについて調べることであり、こころを調べることで自分が誤って信じていることを見つけることができます。

誤って信じていることこそが、自分自身を怖がらせ、傷つけ、苦しませたり悲しませたりしている原因そのものなのです。

たとえば、「こんなこと、絶対に起きるべきではない!どうしてこんなことが起きたのだろう?」と考えてしまうとき、「それが起きるべきではない」という誤った考えに囚われています。その考えは、ほんとうにほんとうのことなのか自分のこころに問いかけてみましょう。

すべては善きことの流れの一部分だとしても、「起きるべきではない」という自分の考えが前提にあるのならば、そのあとはどのようなことが起ころうとも、否定でしかものごとを体験できなくなってしまいます。

かりに、「起こることはすべて、自分にとっても周りにとっても善いことであって、それ以外の可能性はない」という考えを受け入れていれば、いったんは動揺したとしても、「大丈夫!これが善いことに変わってくるのを見ることができるはずだから、安心して流れにまかせよう」とこころを立て直すことができます。そして、自分が決めた結果を見ることになるでしょう。

そうであれば、もう過去についての「どうして?」「なぜ?」はどうでもよくなり、そのままの流れにこころを開いて身をまかせることができます。

自分の考えと向き合って探求しても、自分の考えの誤りを見つけることができないときには・・・

自分の高い自己であるハイヤーセルフに、「私は自分の信じていることの間違いに気づくことができません。私にほんとうのことを教えてください」とこころのなかでお願いしてみましょう。

あるいは、自分がいちばん信頼している友人や知人に「自分はこのことについてこのように解釈し、こころが穏やかではないのですが、あなたはどう思いますか?」などと意見を求めてみましょう。

こころを開いてアドバイスを求めたときには、その人を通して宇宙があなたに必要なすべてを与えてくれます。

あなたが「自分を正したい」「正しいこころをもちたい」と願って助けを求めれば、どこからでも完全な答えがもたらされるのです。

しっかりと答えを受け取るには、尋ねた相手を完全に信頼すること、その答えになにも検閲をかけずにオープンなこころで受け取ることです。

「どうして・・・?」「なぜ・・・?」と外へばかり気をとられがちな自分のこころと向き合って、いつでも自分のこころの誤りを正したい、自分のこころを本来の穏やかな湖の状態に戻したいと思っているとき、宇宙からの助けは無条件にふんだんにやってきます。

なぜなら、宇宙は「本来の自分らしく自分自身を生きたい」と願っている人をどこまでも応援してくれるからです。

その助けを得るために、アタマでいろいろと考えてしまうよりも、「自分のこころの誤りを正したい」とこころに決めて大きくこころを開いて、宇宙に助けを求めましょう。

そして、宇宙からの助けや答えをすべて受け取ることができるように、ただこころを空っぽにあけ放ってリラックスして待つことによって、かならず助けがやってくることを知ることができるでしょう。

PS. 未来もまだ存在していないので、未来について思いや悩むことについても同様ですWink

 

 

「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 ヒプノセラピーカウンセリング