2004年09月30日 たかちゃん旅日記 アルメニア&グルジア紀行

その1 自信喪失?じゃあアルメニアへどうぞ!

「アルメニア」と聞いて何を連想しましたか?頭で想像するより実際体験してみるのが一番!とばかりに、私自身何の予備知識も無く怖い物知らずで乗り込んだわけです。第一印象!「アルメニアは美人大国」である!!!かなり断言。(確信の度合いは95%なり)前回、ハンガリー人はすごい美人とふきこまれて訪れたのですが、超美人さんはお留守でついぞお目にかかれませんでした。しかし、アルメニアは街をあるけばほ〜んとに美人含有率が高い。でも、彼らに言わせると世界一の美人は日本人なのだとか。(街の人にもインタビュー済み)お互い無いものねだりなんでしょうかね〜?実際、教会、遺跡、街、ホテルのエレベーター、どこででも食い入るように見つめられ、また質問攻め。「なぜ、ここにいるのか?」と。そう言われても返事に困るのですが、仕事ではなくツーリストだというと、さも嬉しそうに私の肩をばんばん叩く。ほんとにアジア人の顔が珍しくて仕方がないようです。(娘を横に並べて勝手に記念撮影を始めるやからまで)無条件にモテモテ体験してみたい人、是非アルメニアへ!

 

 

その2 8年ぶりにランキングに異変あり!

機内食って、すこぶるシンプルになりましたね。以前は、チーズにクラッカー、チョコに間食のアイスまで、ブロイラーチキン的危機感がいっぱいだったのに。今回、モスクワで乗り換えてエレバンまでアエロフロートの旅。Aフロートといったら、ボロくて危険なエアラインの代名詞。赤銅色の時代がかったアメニティグッズといい、暗いロシア音楽のサービスといい、怪しさ満点。しかし、ここ2〜3年ですこぶるモダンでクリーンなイメージにアップしておりました。他の外資のエアラインとまったく変りません。(どうりで連日予約が満席)旧ソの暗い雰囲気は払拭され、ブランケットと枕はblueとorangeでセンスよく、映画だってハリーポッターとトロイだし。ただね、スペースの狭さに辟易。男性や足長の若人はさぞ窮屈なことでしょう。そう、特筆すべきは機内食のおいしさ!(以外でしょっ?!)サーモンのサフランライス添えのおいしかったこと。トレイも通常より一回り大きく食べがいも十分。搭乗前に中華街の美味なる蒸しパンを平らげていたにもかかわらず楽々完食!今までは、一位がヴァリグエアのステーキ(こんなおいしいステーキはじめて!)で、二位がラウダエアのローズマリー風味平目のムニエルとポテトだったのですが、新たにAフロートを1.5位(?)に格上げいたしましょう。「たかちゃん機内食ランキング」が久々に塗り替えられた記念すべきフライトでした。

 

 

その3 二度楽しめる到着の仕方

モスクワでのトランジット6時間待ちのうえ、さらに数時間のフライト。爆睡につきドリンクサービス、機内食ともにまったく記憶にございません。ようやくアルメニアのエレバンに到着したときは、すでに午前3時半。朦朧とした頭でなんとかビザの申請を終え、お金も両替。(いったいこの$20分はどのぐらいの価値があることやら)ホテルへの車中、ラスベガス通りというカジノの並ぶ大通りをすぎる。人っこ一人見あたらない。日本のさびしい国道の風情。ところどころ電話ボックスほどのガラスばりの箱があって、大きな花束があかあかと照らし出されている様子がみょうにシュール。花屋さんか?街の中心部には広場があり、巨大な石造りの建物がライトアップされている。そう、エレバンは石の街だとか。夜遅く見知らぬ街に到着する楽しみは、翌朝明るくなってびっくりさせられること。気温や日差し、街の匂いに人々の顔。ぐっすり眠って、翌朝ホテルの窓から改めて街にご挨拶いたしましょう。幸いホテルは大快適の大当たり!

 

 

その4 見つけちゃった!アルメニア美女の秘密

エレバンの街角で、若い女性がプラスチックカップの真っ赤な飲み物を口にしている。あれは何?歩道に点在するジュース売りを注意深く見てみると、ザクロがボールいっぱいに入っていた。おおっ、日本でも大人気、女性ホルモンの宝庫ザクロジュース!早速、小さいカップで一つご所望。数十円なり。二つ割にしたザクロを手動の絞り器にはさんで力まかせにプレスする。ザクロは皮には果汁がなく中味のプツプツしたところをしぼるので、なかなか汁がたまらない。もし、大きなカップで注文していたら、いったいいつ出来あがることやら気の長い話だ。絞るそばから、ザクロかすをぽんぽん豪快に捨てて行く。この注文分でも相当な労力!で、お味は?これが、すっすっ、すっぱぁ〜〜〜い。きゃ〜きゃ〜言いながら、それでも残すものか!と、一滴残さず飲みほしました。日本でこんなジュースを注文しようものなら、コストはきっと数千円。(ザクロ、丸ごと5〜6個分)しっかし、きっとバストアップ、美肌効果はてきめんのはず。日本に戻るまでキープできそうにありません。ご覧に入れられないのがなにより残念!

 

 

その5 一体化していると、ついに感覚が麻痺します

何と言ってもアルメニアに来て心安らぐのが人の暖かさ。滞在中お世話になったVarditerさん(薔薇の花びらという意味だとか)は、名前にたがわずそれは美しく聡明で日本人たじたじのおくゆかしさと気配りの達人でありました。(日本テレビにもアルメニア美人として出演した経験あり)また、ホテルでもダイニングに行くと給仕さんたちがかわるがわるやって来ては「アルメニアのフルーツを召し上がれ」とか「伝統的なパンをどうぞ」とずいぶん可愛がられた。(子供だと思ったの?)訪れた先はどこででも、それは暖かく人なつっこく歓待されたのでした。人と人が生活していれば、こういうふれあいじたいが自然なことで、逆にそこから自国をながめると「日本はいったいどうしてしまったの?」と不安になる。街で視線があってもガンをとばされ、ぶつかられても返って来るのは暴言だったり、この余裕のなさ。もちろん私を含めてのことですが、なんだかすごくヘン。どこか感覚が麻痺してしまっているような。これからの日本を背負って行く若者・中年はもちろん、老年のみなさん、もっともっと世界を見てみましょうよ!なくしてしまった宝物にいっぱい遭遇しますよ。

 

 

その6 先生、たじたじ・・・

アルメニアにしろ、グルジアにしろ、ホントにこっちの若者は熱心に、かつ楽しんで勉強してますね〜。それに、みんな自分の夢がある!つべこべ言わずにその夢に猛進している感じがさわやかです。アルメニアでは、にわか日本語教室の先生に。小学校低学年ぐらいから20代のお姉様方まで年齢層・レベルは様々で、ひとつの教室に学んでいます。それが侮れないのですね〜、まったく。川端康成の「雪国」を読んだばっかりだとか、北野ムービー「Dolls」をみて泣きましたとか。極めつけは、「終始」と「始終」の違いはなんですか?という質問(冷汗)。ねぇ、いったいどう答えます?それに謙譲語に尊敬語に、ちゃんと使い分けているのです。教材がほとんどないにもかかわらず、日本人の使う英語レベルよりもはるかに素晴らしいです。Native日本人とふれあう機会がないとのこと、しっかり日本語学校の先生にスカウトされてしまいました。でも、こんな熱心な生徒たちだったら先生も幸せだね。(たかちゃん、もしやヤル気になってる??)

 

 

その7 好きなことしてますか?

グルジアでお世話になったNinoは、大学院の学生。Native Americanのような美しい英語を話す。民主化してまだ十数年なのになぜにここまで話せるのか不思議。(そういえば、トマティス博士いわく、ロシア語使いの人の耳は広い周波数に対応可能で、どんな言語でも簡単に覚えてしまうそうな。一方、日本語は周波数が狭いので他の言語が聞き取れないし覚えられない耳だそうです)Ninoは、社会心理学専攻。心理学系で一気に話がもりあがる。こちらでは、人材不足でセラピストは過酷な労働をしいられているとか。しかし、まだまだレベルは低いという。是非、ヒプノのレクチャーをしに来てくれと、ここでもヘッドハンティングされそうになった(笑)。日本のように自分の意志がどこかに行ってしまってにわか自動的に学んでいる学生とは対照的に、本当に学ぶ意志をもって楽しんでいる学生たち。驚くべき飲み込みの早さでスイスイものにして、世界に羽ばたいて行くのでしょうね。ふむ・・・もうちょい楽しんだほうがいいかも、日本の同士よ!

 

 

その8 グルジアのごはんって?

ホントに何でもおいしい!なかでもハチャプリがお気に入り!これは平なパンの間にブルーチーズのようなクセのあるチーズが入っているグルジア風ピザ。Ninoに頼んで、おいしいものリストをグルジア語で書いてもらった。私にわかるように英語の注釈つき。これを持参して、いざレストランへ!これが、たいそうウケた。旅行前から楽しみにしていたのはヒンカーリ。これは、グルジア版小龍包。しかし、残念ながらディナーでもランチでもお目にかかることはなかった(庶民的すぎるのかな?)。すっかり忘れていたのがワイン。グルジアはワインの名産地でワイン農園へも小旅行をしたにもかかわらず、味わってるヒマなしで、無念・・・。運転手のバレリーさんいわく、こちらの男性は食事のときには10本ぐらいは軽くあけてしまうとか。う〜ん、彼自身がすでに巨大なワイン樽と化しているようにお見うけいたしましたが。

 

 

その9 オリエント急行ならぬ、降りれんと急行!

アルメニアからグルジアまでは、17時間をこえる列車の旅。それこそ、修学旅行のブルートレイン以来です。しかし、オリエント急行のような優雅な旅を想像するなかれ。真っ白に埃をかぶったいかつい車両にならぶコンパートメント。一応安全のため一等車です。両側に寝台があって、真ん中にスーツケースを入れちゃうともう満杯。そしてタオルと枕カバーのセットが配られる、というより投げ込まれてくるのです。ふつう走行中の列車というのは規則的な振動音がするものですが、これはなぜかゴゴゴッと左右にきしみ、震度6並みに傾いたかと思うとピタッと止まり、ようやく牛歩の歩み。すると、こんどは跳びあがりそうな上下運動。コーカサスの山越えをしているのはよ〜くわかるけど、これってもしかして徒歩より遅くないっすか?真夜中にはどこぞに停車したまま動かないし。外からは不気味はロシア語のアナウンスが響いてくるさまはまるで捕虜輸送列車風、と眠い頭に妄想がひろがる。(映画の観すぎ)しかし、定刻になっても到着のきざしなし。たんに時差があるのか、あるいはうっかり乗りすごしたのか?ここは、まったく英語が通じない世界。もう、十分堪能いたしましたから、ねぇ、お願い!降ろして〜!!

 

 

その10 笑いは万国共通語

列車の旅、第二話。不規則な振動音にも慣れて、うとうとしはじめた早朝6時過ぎ。コンパートメントのドアをかすかにノックする音が。と、次の瞬間すでにロックがはずされドアは全開。煙草をくわえた制服姿のムサ男たちが威圧感たっぷりにずらりと並んでいる。も〜、まったく「スターの寝起き」じゃないんだからやめてくださ〜い!という感じです。思いっきりやな顔をしてみたが、反応なし。この人たちにはレディーの迷惑がまったくわかっちゃいない様子、いや、楽しんでいるのかも!犯罪者の取り調べなみの強引さで、まあ、ようはパスポートを見せろということなのです。しかし、これだけで動じていてはいけません。その後、通算4回こんな有無を言わせぬ人たちが、ひっきりなしにやってきた。税関にいたっては寝台の下をチェックさせろというので、ついに居場所がなくなって寝台の上をぴょんぴょん飛び跳ねていたら、このコワモテにいさんたちがそれを見てついに笑いだした。なぁ〜んだ!そんな仏頂面でもふつうに笑うんじゃん!人間、どこでも同じだわ。みょ〜な一体感が生まれてしまいました。

 

 

その11 きょうは遠出です

帰国前日、Ninoと二人で小旅行をした。朝8時、おんぼろベンツで迎えにあらわれて夕方6時すぎまで、120キロでとばしまくりの一日。この運転手のバレリーさん、たいそう胆がすわっているお方で、平気でセンターライン上を爆走し対向車があろうともまったくひるむことなくガンガン追い越しをかける。どの車もとばしているので、これは手に汗握るサーキットなみ。(余談ですが、ロシアに行ったとき絶妙な運転をするバスドライバーさんがいて、彼は旧ソのチャンピオンレーサーでありました。でも、職がないそうな。もしや、この人も?)あまりにコワイので前方は見ないようにしておりましたが。それに、この酷暑。冷房がないので窓は全開、呼吸困難なほどの風と砂埃にあおられっぱなし。いったいどこまでどう走ったのか、こんなにかっ飛んだらチェチェンまで行っちゃうよ〜!という心配はよそに、ぶどう園に行ったり栗拾いをしたり、いたって平和な一日でありました。・・・にもかかわらず、夕方帰りつく頃にはぐったり疲労。超高速運転でバリバリに肩に力が入っていたようです。