2002年07月16日 ルーマニアなぞの法則

 旧共産圏を個人で旅行するのは、予想以上にエネルギーがいる。去年、ロシアやバルトの国々を訪れたとき、「ヨーロッパでありながらヨーロッパでない」おもしろさにひかれて、ついルーマニアとブルガリアを選んでしまった。

 なんせ今回は、ドイツからイタリアに入って南はカプリやシチリア、そしてフィレンツェ・ベニス・ミラノと超お気に入りを並べたてたすえのルーマニア入り。かなり順序が悪かったかもしれないなぁ、と反省。ブカレスト行きの飛行機を待ちながら、エネルギーがシュ~ンと音をたててぬけていくのを感じる。急に色あせた(ダサイ?)人々の服装(そりゃあ、イタリアと較べちゃぁね)、見慣れない顔立ちやふしぎな響きの言葉・・・。あのおいしかった赤いオレンジジュースや香りのいいカプチーノ、色とりどりのジェラートやオリープオイルたっぷりのサラダ、山盛りパスタなど、ラテンの人達の楽しい顔が頭をよぎる。・・・ああ、引き返した~いっ。

 そりゃ、ルーマニアはものの10年前まで共産党支配で、西側の物資も情報もなかったのだから華やかさに欠けるのもムリない。けれど、いま一番人気のイタリアのあとじゃ、かなり分が悪い。楽しめちゃうはずの不自由さが、惨めさになっちゃう。

 あのチャウシェスク政権のなれの果ては銃撃戦だった。想像はしていたけど、ひとことで言うとルーマニアはちょっと荒っぽい。少々動物エネルギーだ。滞在しているとどんどん消耗する。街に出れば一応オープンカフェなんかもあったりはするけど、ショーウインドウのディスプレイは、そりゃあ古くさくて物資もまばら。まるで戦前の日本。(えっ、知ってるのぉ?)それに、歩道も車道もでこぼこで、平気で大きな穴が口をあけていたりする。ボヤボヤしてたら真っ逆さまだ。ブカレストを観光しながら私の駆け込み寺は、「ヒルトンホテルのカフェ」だった。ここにさえくれば、安全! わたしの舌が安心するスープやコーヒーがある。トイレだってきれいなこと。英語だって通じちゃう。それぐらい色濃く残る東側の空気に、かなりアップアップしてしまった。

  街の殺伐さに疲れて公園へ。緑がうっそうとして大きな池がある人々の憩いの場。休日でたくさんの人がいる。ここで奇妙な法則を発見することになる。

 その1 「3人の法則」

十代の若者たちがデートしている。目をおおいたくなるようなアツアツ組も多数。でも、二人ではないのだ。必ず三人。お決まりのように、四人でもなく三人!ぴったりよりそうカップルに、コブつき状態。悪びれることなく一人くっついている。あのカップルも、そのカップルも、このカップルも、コッ、コブがっ! 80%位のカップルがこの調子。なぜなの~!?二人でデートしたくないのぉ?それに、もう一人は、イヤじゃないの?

 その2 「おじさん背広の法則」

公園はみんなカジュアルなかっこでくつろいでいる。そんななか、目を引いたのはおじさん。「背広」を着ているのだ。あれ~!こっちから来るおじさんもみんな背広だ!つれの奥さんは普段着なのに。ある年齢以上のおじさんはなぜか、みな「背広」。お散歩なのにセーターとかジャンパーとかでリラックスしないのぉ?

 その3 「お尻の法則」

こっちの女の子はスカートをはかない。そして、そのパンツルックにはギョッとさせられる。まるで、そのままお尻に色をぬっちゃったような(?)リアルさ。「うわぁ!おしりぃ~!」ってさけびたくなる。日本ではいてたら、カッコいいのか悪いのか?このタイプのパンツは、ついぞ他の国では見なかったな~。これ、流行なの?

 この3つの法則については、ホテルのフロントで理由を聴くわけにもいかず不完全燃焼のまま。なぜなのぉ、知りた~い!

2002 Jul. 16