2000年08月18日 韓国ビックリ食事事情

 韓国に行って来ました。「空港を降りるとキムチの匂いがする」と聞かされてきたけれど、ほーんとに大気にキムチ臭が充満していて感動すらおぼえてしまいました。以後、ホテルで目覚めて窓を開ければキムチ、ロビーをあるけばキムチ、人と話せばキムチ、つまり1日24時間キムチがついてまわるという生活。

 毎食ごとに食されるキムチの量たるや、私の年間キムチ消費量すら足元にも及ばない!韓国の若者の地に足のついたたたずまいは、キムチと生ニンニクと焼き肉、そしてそれを巻いて食べる大量のサンチュ、という無敵の食生活に支えられているのを体感してきました。日本のコンビニ族のみなさん、食に対する態度を改めましょう!(私のことでした・・・)

 韓国の食生活のビックリは他にもいろいろあります。焼き肉屋さんに行くと、お店のひとがすごい勢いでお肉を次々焼いてくれる。網の上に広げられたそのお肉の大きさたるや「ジャイアント馬場」の足裏級。(ちょっと古い・・つまりワラジよりずぅ~っと大きいという表現をしたかっただけです)

 「これ、いったいど~やって食べるの?」と困りはてていると、なんとハサミ登場!それも、ゾーリンゲンとかのお料理バサミなんていう洒落たシロモノではなく、おばあちゃんとか仕立屋さんが使っていたデッカイ裁ちばさみです。あれで、いきなり網の上のお肉をジョッキジョッキ四方八方にめった切る。ここでも、韓国の底力を感じて日本の繊細さというより軟弱さを憂いてしまいました。

 そうなんです、韓国の食はダイナミック!「タコの躍り食い」にいたっては、タコと人間の真剣勝負。はたから見ていると、まったくどっちが食べられているのかわからない絶叫の連続!(注・タコが絶叫するわけでも、襲いかかるわけでもありません、あしからず)つまり、食べようとしている私が勝手に叫んでるだけです。でも、叫ばずにはいられない、この迫力!

 ぶつ切りにされたタコの最期のあがきか、お皿の上でのたうちまわり(?)お箸で追いつめてもヘリに貼り付いてビクともしない。そこをムリに剥がすと今度はお箸にまとわりついて、ついに制御不能になる。このありさまはSFかホラーか、やっつけてもやっつけても不気味に復活してくるエイリアンさながらだ。

 この期に及んでのタコのかたくななまでの抵抗と粘り強さときたら、空恐ろしさを感じるほどだった。人間にしたらさぞ大成したことだろうに、惜しいことをした。(なにをいっているのか?)

 躍り食いは新鮮で甘くてとろとろだった・・・そうだ。私は戦いに疲れて味わうどころではなく、なかば丸飲みに近かった。

 半月ほどの滞在をへて帰国してからというもの、なぜか体調が今ひとつすぐれない。なんだかフラフラして栄養が足りない感じ。気がつけばスーパーで日本製キムチもどきを握りしめてる自分がいたりする。抵抗しても、身体はすでに韓国人。どうやら刺激はクセになるようです。