15-04-13 DVD鑑賞とモグラたたきな人生

映画にしてもDVDにしても、どっぷり感情移入ができて、ドラマにはまりこめる作品ほど楽しめるものはありません。ドキドキ、ハラハラ、まるで違う人生をもうひとつ生きたような気になれる。だからみんな、映画が大好き。

でもこれも度をこしたら、バーチャルとホンモノの区別がつかなくなり、架空のドラマのなかに生きている困った妄想癖のある人になってしまいます。

そして「その困った人こそがあなたです!」・・・ といわれたら びっくりしますか?

どうやらわたしたちも、この人生ドラマというDVDにどっぷりと感情移入して夢中になりすぎているうちに、ほんとは自分が誰だったのか、ほんとはどこにいるのかさえわからなくなってしまったようです ・・・(大汗)。

つまり、DVDを鑑賞していた自分はどこへやら、ストーリーのなかの人物と一心同体。ワクワク、スリルがあったはずのドラマ展開も、楽しんでいる余裕などなくなり ・・・。今や、このドラマのなかでサバイバルすることこそが最重要課題、唯一の問題なのですから。

でもいま観てるDVDは、すでに脚本が書かれているし、そのとおりに演じられているし、わたしたちはだまって観ていることしかできないはずなのに・・・ドラマの渦中にいると勘違いしてしまったわたしたちは、このドラマの筋書きをなんとか自分好みにコントロールしようと必死にいどみかかっています。(映画の筋書きは変えられませ〜ん!)

どんな努力をしてもなぜか水のあわ、結果がでません。筋書きを変えようとあせればあせるほど、どんどんホラーの様相を呈してきます。(あらら、ポップコーンを食べながら余裕で楽しめるはずだったはずなのに、おかしいですね〜。)

ここでできるひとつのことは、ただちに「スクリーンのまえの椅子」に戻ってくること、それだけです。

じつはセラピーでできること、していることは、まさにこれ! なのです。

ストーリーにのみこまれてホンロウされている状態から、その外側、眺めている冷静な自分に戻ってくること。

そして「すでに脚本がきまっていることに抵抗しても、何も変えられないんだ」と気づき、「このDVDは好きじゃないわ。あまりハッピーなストーリーじゃないもの。他のディスクを選ぼう」、あるいは「もうDVD鑑賞はあきたわ!や〜めた!」ということもできるのです。

わたしたちが見ているものを何でもリアルに感じることができるのは、ひとつの才能でもあるけれど、でもそれが自分を脅かしているのであれば、それに気づかなければなりません。オロオロとただ感じることから、もっと客観的になることもできるし、さらに自分が何を観るのかを決めるという選択肢もあるということなのです。

人生にはいろ〜〜んな問題が、モグラたたきのように次から次。これに騙されて、ひとつひとつのモグラに対処しようとすると、より混乱することになるし、果てしない問題にぐったりと疲れはてます。

モグラたたきというゲームじたいから降りることだって選んでもいいのす。「このゲームはもうつまらない。だってぜったい終わらないんだもん。もうその手にはひっかからないぞ。それに、このマシーンで遊ぶほどもう子どもじゃないよ!」といいう具合にね! (^_^)v

 

 

(「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子/ヒプノセラピスト・心理カウンセラー